創薬科学研究科主催
第41回創薬科学セミナーを開催します。
概要 | 「細胞外電子伝達で細胞を操る、探る」 |
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日時 | 2016年04月27日水曜日 16時~17時 |
場所 | 創薬科学研究館 2f 講義室 |
講師 | 石川 聖人(名古屋大学工学研究科/助教) |
ファイル | 1465257214創薬科学セミナー20160427.pptx |
遺伝子、タンパク質のような生体分子から生き物を語る研究をしたいという理由で、卒研配属の研究室を選びました。学位取得までとポスドク期間を合わせて8年間、同じ研究室で過ごし、基本的な分子生物学の技術を習得しました。この期間は一環として特殊な微生物に特殊な能力を与えている遺伝子、タンパク質の研究を行ってきましたが、いつしか遺伝子とタンパク質自体の研究に熱中するあまり、“生き物”とは反対岸に流されてしまったという危機感を感じるようになっていきました。
初めて出身研究を離れてポスドクを行う機会を頂いた際に、“細胞外電子伝達”という研究分野に出会いました。細胞外電子伝達は元々、ある限られた微生物が行う特殊な呼吸方法と考えられていましたが、実は自然環境中の多くの微生物がこの代謝様式で生きていることがわかってきました。さらに、電子伝達分子を利用することで、一般微生物に人工的な細胞外電子伝達を行わせることもできます。そもそも代謝反応の多くは物質の電子移動を伴う酸化還元反応に基づいているので、細胞内の電子を操ることは代謝を操ること、ひいては遺伝子発現をも操ることに繋がります。細胞内に存在する電子伝達分子は生物種を越えて広く保存されています。つまり、ヒトと微生物は大きく異なるにも関わらず、生命を維持するために利用する電子伝達分子はほとんど同じなのです。細胞外電子伝達を分子生物学分野へ積極的に持込むことで、これまでわからなかった生物システムの理解、できなかった生物システムの制御が可能となるのではと思いを馳せています。
初めて出身研究を離れてポスドクを行う機会を頂いた際に、“細胞外電子伝達”という研究分野に出会いました。細胞外電子伝達は元々、ある限られた微生物が行う特殊な呼吸方法と考えられていましたが、実は自然環境中の多くの微生物がこの代謝様式で生きていることがわかってきました。さらに、電子伝達分子を利用することで、一般微生物に人工的な細胞外電子伝達を行わせることもできます。そもそも代謝反応の多くは物質の電子移動を伴う酸化還元反応に基づいているので、細胞内の電子を操ることは代謝を操ること、ひいては遺伝子発現をも操ることに繋がります。細胞内に存在する電子伝達分子は生物種を越えて広く保存されています。つまり、ヒトと微生物は大きく異なるにも関わらず、生命を維持するために利用する電子伝達分子はほとんど同じなのです。細胞外電子伝達を分子生物学分野へ積極的に持込むことで、これまでわからなかった生物システムの理解、できなかった生物システムの制御が可能となるのではと思いを馳せています。