第96回創薬科学セミナー・GTRセミナー
概要 | センダイウイルス ~基礎ウイルス学から応用へ |
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日時 | 2019年03月06日水曜日・15時30分-17時 |
場所 | 創薬科学研究館 2階 講義室(205) |
講師 | 入江 崇 博士(広島大学 大学院医歯薬保健学研究科) |
連絡先 | 小坂田 文隆(6814) |
ファイル | 1550794462第96回創薬科学セミナーポスター入江先生.pdf |
センダイウイルス(SeV)は、ヒトに病原性を持たないげっ歯類の呼吸器病ウイルスであるが、ヒトや家畜、愛玩動物などの驚異となるインフルエンザ、麻疹、エボラ、狂犬病ウイルスなどの様々なマイナス鎖RNAウイルスと基本的な複製機構を共有している。また、その高い安全性、広い宿主域、高い増殖性などの基本性質や、自然宿主としてマウス個体での検証が可能であるなどの利点から、マイナス鎖RNAウイルスのプロトタイプとして研究が進められ、ウルス増殖や病原性発現メカニズムの解明や宿主(細胞及び個体)との相互作用の解明に貢献してきた。また蓄積された成果を応用し、iPS細胞作製用ベクターとして世界的に用いられているCyto-Tuneに代表されるように、様々な用途に適応したウイルスベクターとしての利用が進められている。本セミナーでは、我々が最近10年間に明らかにした基礎ウイルス学的成果を紹介するとともに、今後の展望及び様々な応用展開の可能性について考察したい。