創薬科学研究科主催
理学研究科生命理学専攻共催
第63回創薬科学セミナー
概要 | 『低浸透圧後の細胞容積調節に関わる分子群の機能協関』 |
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日時 | 2017年07月07日金曜日・16:30~18:00 |
場所 | 創薬科学研究館2階講義室 |
講師 | 赤塚 結子 博士(鈴鹿医療科学大学・薬学部准教授博士(医学)) |
連絡先 | 創薬科学研究科 廣明秀一(hiroaki.hidekazu at f.mbox.nagoya-u.ac.jp(atを@に代えて下さい。)/4535) |
ファイル | 1496626627第63回創薬科学セミナー.pdf |
細胞壁を持たない動物細胞の容積は、細胞外及び細胞内の浸透圧の影響を受けて容易に変化するが、動物細胞には増大または減少したその体積を元に戻し、常に一定に保つ能力があり、これは生命を維持する上で必要不可欠な機能である。低浸透圧刺激を受けることで一旦膨張した細胞容積は、細胞内の余分な水と溶質を細胞外に排出することによって元に戻る。この過程は調節性容積減少(RVD)と呼ばれ、この時に排出される陰イオン(アニオン)の通り道である容積感受性外向整流性アニオンチャネル(VSOR)の働きが、RVDの過程に必須であることがわかっている。VSORを含めて、RVDを可能にさせる分子基盤は不明な点が多いが、演者は生理学研究所との共同研究によって、VSOR調節タンパク質を同定しており、VSORを取り巻く分子協関の一部を明らかにした。また、VSORの分子同定において近年新たな展開があったので、それも併せてご紹介したい。