講座 | 分野 | ||
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創薬生物科学講座 | 細胞分子情報学分野 | ||
教員:
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研究方針: 我々の研究室では、産学連携、共同研究などを通じて「異なる分野」「異なる職種」「異なる思想」の人々とできるだけ多く触れ合いながら「科学と科学を繋いで社会に近づける」ことをモットーに工学的な視点での実用化研究を行っています。 |
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研究テーマ: 研究は大きく3つのテーマに分かれています。 ①細胞品質管理のための細胞画像情報処理技術の開発 再生医療や創薬を対象分野として、ヒトの細胞における品質を、細胞の画像情報から定量評価・予測する技術を研究し、細胞の自動培養装置開発や薬剤評価法の開発に貢献しています。これまで間葉系幹細胞、iPS細胞、未分化細胞、腫瘍細胞などを用いて、さまざまな細胞の品質や培養技術を定量化することに成功しています。 ②創薬スクリーニングのためのバイオインフォマティクス 創薬開発におけるスクリーニング研究を対象分野として、医療情報や細胞評価情報のバイオインフォマティクスと、従来の化合物のin silico解析技術との融合したシステム開発を行い、スクリーニングの効率化やこれまで見えなかった新しい薬効や検出しにくかった毒性の発見を可能とする技術開発を行っています。これまで医薬品や健康食品として機能するペプチドの分子相互作用のスクリーニングデータから、迅速かつ効率よく有効な機能性をもつ分子をスクリーニングできる解析手法の開発に成功しています。 ③細胞選択性を有する再生促進型医療機器の開発 体内に移植する人工血管などの医療機器表面において、あたかも「生体と同じように」振る舞わせ、副作用を低減するための機能化分子としてペプチドを設計し、これらを用いた生体内でリモデリングする(体に置き換わっていく)医療機器の開発を行っています。これまで人工血管などに特定の細胞だけを接着させ、不必要な細胞の浸潤や増殖を防ぐような短鎖ペプチドの取得と動物実験に成功しています。 どちらのテーマも特徴は「医薬を支援する工学技術開発」という実用化を目指す工学的研究であることと、「細胞を用いた実験」と「コンピュータによるデータ解析」の両方を行う研究をする、というものです。このような実験屋と解析屋という2面性を磨くことで、生物の実験能力も持ちながら、これを工業的・実践的に目の前の問題解決に応用できる「アイディアを技術化する」研究を行いたいと考えています。 |
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学生へのメッセージ: どんな新しい出会いにも、かならず「仲介者」が大きな役割を果たします。新しい異分野と異分野が出会う融合領域の科学には、おもしろいことや未知の問題が山積みです。このため、よい仲介者になるためには、両方のことを勉強しなくてはなりません。しかし、複数の分野を知ることは、無茶なことではありません。新しい課題を見つけ、新しい人と出会い、新しい発想力を得る楽しいこと、と言えるでしょう。そして新しい発想力は、単なる仲介者ではなく、新しい研究や技術を産み出す生産者にもなるチャンスをくれます。融合領域研究に意欲を持ち、工学的な実用を見据えた研究を通じて創薬研究に挑戦したい方々を歓迎します。 |
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連絡先: kato-r@ps.nagoya-u.ac.jp |
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公開HP: https://www.ps.nagoya-u.ac.jp/lab_pages/CMB/ |