研究メモ


参考
Kan Groupー実験の工夫とコツ
Kanai Groupーマニュアル
Frontier Group
Organic Chemistry Info

TLC
反応開始直後5分以内にTLCで反応をチェックする。30分後に初めてTLCを取るのに比べて情報量が圧倒的に多い。

TLC発色試薬
リンモリブデン酸(PMA)
5-10%のリンモリブデン酸のエタノール溶液(リンモリブデン酸25-50gを500 mLのエタノールに溶解させる)

硫酸セリウム-リンモリブデン酸(Ce-PMA)
Ce2(SO4)3・nH2O 12.5 g、リンモリブデン酸 35 gを500 mLの2N 硫酸(濃硫酸25 mLを500 mLまで薄める)に溶解させる。

LiAlH4の後処理
用いた LAH N g に対して最初に THF で 2~3 倍量に希釈後、アイスバス等で冷却下に行う。
・N ml H2O
・N ml 15% aq. NaOH
・3N ml H2O(アミノアルコール、ジアミンの際は 2N ml H2O が良いことも)
・発熱、急激なガス発生があるので要注意。
・生じた白色沈殿をガラスフィルターで減圧濾過する。

DIBALの後処理
用いた DIBAL N mmol に対して
0.7 * N ml MeOH を注意深く加える。
1.2 * N mL 30% ロッシェル塩(酒石酸NaK塩)水溶液を加えた後、30 min 攪拌。
有機層を 30% ロッシェル塩水溶液で洗浄(0.5 * N ml 2 回、0.25 * N ml 1 回)。
合わせた水層をエーテルで逆抽出 (0.25 * N ml 3 回)。
合わせた有機層を飽和食塩水で振った後、乾燥。

Grignard Reagentの後処理
用いた Mg N mol に対して sat. NH4Cl を以下の割合で加える。
・ ether 溶液の場合 (150 ~ 175) * N ml
・ THF 溶液の場合 (100 ~ 120) * N ml
生じた沈殿を減圧濾過。

Al, Zn 等の両性金属の後処理
その1) 生成物が酸塩基に強い場合は3Nの塩酸または3NのNaOH水溶液でよく洗う。
その2) KF (5 eq) と H2O (5 eq) を加え 1 ~ 2 h 攪拌した後、沈殿をよく洗いながら濾過。
その3) エーテル溶液を 30% ロッシェル塩水溶液でよく洗浄

有機スズ試薬の後処理
その1) DBU, I2
その2) sat KF in MeOH (or H2O) を加え一晩攪拌した後、白色沈殿を濾別する(時間がかかるのが短所)。
その3) 塩基性が許される場合 NaOH 水溶液を加えて 1 時間程度攪拌する。
その4) 無水炭酸カリウムを10wt%混ぜたシリカゲルを使ってカラムをする。
その5) アミノシリカゲルを使ってカラムをする。

アルキルリチウムの滴定
Ph2CHCO2H 約 100 mg をとり、室温で THF 2 ml を加え、よく撹拌して溶かす。氷浴に入れた後、シリンジに RLi 溶液(ラベルに表示されている濃度から計算した滴定値の 1.2 倍程度)を取り、無色から薄い黄色に変化するまで滴下する。加えたRLi溶液の体積を記録する。する。そのときの Ph2CHCOH の重さを x mg、加えたRLi溶液の体積を v mL とすると、濃度C mol/Lは、

C = x / (212.24 * v)


低温バス (℃)
pentane/liq N2 -131
MeOH/liq N2 -98
hexane/liq N2 -94
hexane/dry ice -78
Acetone/dry ice -78
CHCl3/dry ice -63
MeCN/dry ice -42
CCl4/dry ice -23
ethylene glycohol/dry ice -1
CaCl2 16g + water 100g /dry ice -10*
CaCl2 27g + water 100g /dry ice -20*
CaCl2 36g + water 100g /dry ice -30*
CaCl2 42g + water 100g /dry ice -40*
CaCl2 48g + water 100g /dry ice -50*
*「続実験を安全に行うために(化学同人)」第6章「冷却」図1のグラフより読み取った値

シリカゲルカラムクロマトグラフィー
<参考文献>
W. C. Stille et al., J. Org. Chem., 43, 2923 (1978)DOI
<目安>
目的の化合物のRf値が0.2-0.3となる展開溶媒を探す。
シリカゲルの量は粗生成物の重さの10倍を目安とし、必要であれば増減する。
シリカゲルの量は、(1)重量で量る、または(2)体積で量る(シリカゲルの比重はおよそ0.5)
1フラクションの量は、シリカゲルの体積の約半分
<手順>
・シリカゲルをカラムに詰め、上から展開溶媒を入れる。
・単球などを用いて溶媒を押し、シリカゲル中の空気を完全に抜く(空気が残っていると白く見える)。
・空気が抜けたら、シリカゲルより上にある溶媒がなくなるまで静かにまつ。
・溶媒がなくなったら、カラムを軽くたたいて、シリカゲルの上面を平らにする。このとき溶媒が浮き上がってくるので、それがなくなるのをまつ。
・前の操作を数回繰り返すことにより、シリカゲルの中に残っている隙間を埋める。
・シリカゲルの上の溶媒を無くしてから、展開溶媒に溶解させた粗生成物を静かにチャージする。
・チャージするとき、粗生成物の溶液(TLCが見える程度の濃度、一度目の洗い込み後にフラスコに残った溶液くらいでちょうど良い)を一滴、必ず残しておく。カラムの最中、何か変なことが起こったときに役に立つ。
・チャージ後、必要によって海砂をシリカゲルの上に敷く(溶媒を加えたときに面が乱れない)。
・シリカゲルの面を乱さないように静かに溶媒を入れる。
・フラクションを集める。

硝酸銀でコーティングしたTLCプレートの調製法
1)市販のTLCプレートを適当な大きさに切り出し、硝酸銀の5-20%アセトニトリル溶液に浸す。
2)溶液からプレートを取り出し、斜めに立てシリカゲルの表面が半乾きになるまで風乾する。
3)ホットプレート上で乾燥させる。
*調製したプレートを素手で触ると、硝酸銀で薬傷を負うので注意!
<参考>「有機化学実験のてびき1(化学同人)」13章

接触還元の仕込み方
・反応容器に原料を入れ、アルゴン置換する。
・パラジウム触媒を秤量し、反応容器に入れる。このときパラジウム触媒が反応容器のスリに付かないように注意する(紙で漏斗を作るなど工夫する)。
・改めてアルゴン置換し、シリンジで溶媒を入れる。出来るだけパラジウム触媒が舞わないように、壁をつたわせて入れる。
・反応容器を水素置換する。減圧時の突沸に注意する。反応容器を氷浴で冷やしておくと突沸しづらくなる。

*反応途中でパラジウム触媒を追加するとき
・水素雰囲気下でパラジウム触媒を加えるのは危険(発火する)なので、必ず一度アルゴンに置換してから追加する。
・反応が停止してしまったときは、一度触媒をろ過してから、反応を仕込み直した方が早いことも多い。

サンプルの保管
・バイアルなどに、密栓して保管する。
・ラベルを貼付し、実験番号、構造式などを記入する(構造式だけでは間違うこともあるので複数の情報を書き込む)。
・ラベルの上から必ずセロハンテープを貼る(そのままだと冷凍庫の中で霜がついた後、はがれやすい)。
・長期間フラスコでサンプルを保管しない。

フラスコの洗浄の目安
・洗剤をつけてブラシで洗浄し水ですすいだ後、フラスコの口を下にしたとき水がはじかれるようであれば、汚れ(有機物)がまだ残っている。アセトンなどで流してから再度洗浄する。

機器使用上の注意
・水漏れ事故防止のため、冷却管の冷却には冷却水循環装置を用いる(水道水を用いない)。
・ろ過用のダイアフラムポンプ(ろ過用)は使用後、ポンプ近くの三方コックを開放し、1分程度空引きを行う。ポンプの中に残った溶媒を飛ばしてポンプの劣化を防ぐ。トラップに溜まっている溶媒等は速やかに廃棄する。
・エバポレーター使用後、溶媒溜に溜まった溶媒はすぐ捨てる。残しておくと何が入っているか分からなくなる。

Citation Indexの調べ方
1)Web of Knowledgeにアクセスする。
2)条件を記入し文献を検索する(経験的に、二人分の著者名と出版年で検索すると効率がよい)。
3)検索条件に該当する文献が表示されるので、目的のものを探す。
4)「被引用数」(Times Cited)の数字をクリックすると、目的とする文献を引用している文献の一覧が表示される。

Schemeの条件の書き方(ChemDraw, Mac)
・温度(°C)の「°」:option+shift+8
・中点「・」:option+shift+9
・マイナス(ハイフンの倍の長さ):option+-
・ギリシャ文字はフォント「Symbol」を選択
・条件は一つのテキストボックスで。一段階の場合は中央揃え、多段階の場合は左揃えで「1)」「2)」を使う。
・「1)」の次の行は、スペース4つ分空けると縦がそろう(Helveticaの場合)。
・プラスやマイナスは65%縮小、非共有電子対は80%縮小。
・パワーポイント用ChemDrawの書式はこちら

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