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Laboratory of Molecular Microbiology,Nagoya University

研究内容Research

私たちのグループでは、以下の2点を中心に研究を行っています。

1.細胞寿命の制御機構

細胞寿命に関わる因子の解明を目指しています。
近年の細胞寿命、あるいは老化研究から、酸化ストレスなどの環境ストレスによるダメージの蓄積が、寿命の規定因子の一つであることが明らかになってきました。
細胞寿命には、その分裂回数で測定する方法(分裂寿命)と、分裂を伴わない細胞の生存期間で測定する方法(経時寿命)がありますが、双方においてストレス抵抗性と寿命との間に関連が認められています。また摂取カロリーを少なくすること(カロリー制限)により、寿命が延びることも証明されています。近年、これら寿命に関わる因子とその働き方が種を超えて保存されていること、すなわち、ヒトから酵母まで共通性がある事が明らかになってきました。私たちは「どうやって細胞の寿命が決まるのか?」を知りたくて、主に分裂酵母を用いて、経時寿命に関わる因子の検索と機能の解明を目指しています。

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2.二成分制御系による情報伝達機構

 

二成分制御系はHis-Aspリン酸リレー情報伝達系とも呼ばれ、細胞が環境シグナルを受容し、細胞内に伝達する普遍的な情報処理機構の一つです。これまでに大腸菌などのバクテリア、酵母などの真菌、さらには高等植物にもその存在が知られており、最も広く生物界で使われている情報処理システムと言えます。
私たちは、大腸菌を用いて、世界に先駆けて二成分制御系の作動原理を明らかにしました。すなわち、環境シグナルを感知するヒスチジンキナーゼと、転写因子として機能するレスポンスレギュレーターを発見し、さらにヒスチジンキナーゼからレスポンスレギュレーターへとリン酸基の転移反応が起こることを見いだしました。ここで見られるリン酸化反応は、ヒスチジン残基からアスパラギン残基へとリン酸基が転移されるもので、二成分制御系に特徴的です。その後も、シアノバクテリア、分裂酵母などへと研究を展開しています。

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分子微生物学分野

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基盤創薬学専攻 創薬生物科学講座
分子微生物学分野