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Laboratory of Molecular Microbiology,Nagoya University

2成分制御系による情報伝達機構

1.大腸菌をモデルとした全2成分制御系のゲノミックス解析

 大腸菌には30種 類の2成分制御系が存在しています。私たちは、世界に先駆けて2成分制御系の作動原理を解明するとともに、国内外の研究者と協力して、大腸菌の全2成分制 御系による細胞応答システムについて、感知するストレスシグナル、制御する遺伝子群を明らかにし、2成分制御系間の情報伝達ネットワークの存在を明らかに してきました。


2.分裂酵母の2成分制御系の解析

 

 分裂酵母には3つのヒスチジンキナーゼ、2つのレスポンススレギュレータ?があります。私たちは、ヒスチジンキナーゼが受容するシグナルは酸化ストレスであり、制御する細胞機能は酸化ストレス応答系に加え、減数分裂への移行、細胞周期のG2期からM期への進行など多岐にわたることを明らかにしました。また2成分制御系がストレス応答型MAPキナーゼの負の制御因子として機能することも見いだしています。

 

3.センサーキナーゼを分子スイッチとして利用した合成生物学の展開

 

 生物が備える機能を組み合わせたり、改良・利用するなどしてこれまでにない生物活性を有する生物システムを構築し、利用す る学問として合成生物学が生まれました。我々は国内外の研究者と協力して、任意に発現調節が可能な人工遺伝子回路を設計・作成し、生物による物質生産へ応 用することや、生物システムを理解することを目指しています。  これまでに、シアノバクテリア由来の光応答性を示すヒスチジンキナーゼを利用して、光波長に応答して遺伝子発現のON/OFFが制御できる大腸菌を創出 することに成功しました。今後この光応答性分子スイッチを、遺伝子回路と融合させ、有用物質生産などへと展開することを目指しています。


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分子微生物学分野

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