Research

image_Research 変化する世界を生き抜いていくために、人類は新たな機能をもった物質を創りだしていく必要があります。我々は有機化学がこの鍵を握っていると考えます。必要なときに必要なだけ望みの物質を手に入れることのできる方法が重要であり、原料として使われる物質はどのようなスケールであろうと環境に負担をかけず、エネルギー、資源を無駄に使わずにまた原子効率、Eファクターも高く変換されなければなりません。このために我々はすべての化学変換について、「化学量論的な方法論」を環境に優しい「触媒的な方法論」へと転換していく必要があると信じています。

 当研究室は触媒の発見と、その応用による有用化学物質の合成に向けて研究を行っています。同時にその反応のメカニズムについて、我々の持っている触媒的変換反応への深い知識や計算化学による理論的なアプローチをもとにできる限り深い理解に至るようにつとめています。

 効率的な触媒反応は基礎化学的な知見の宝庫であるとも言えます。教育的な観点から反応メカニズムの研究が大事なことは言うまでもありませんが、同時に深いメカニズムへの理解が新たな合成方法論の開拓を大いに後押しすることもありえます。我々は多様なimage_Leading研究の中から見いだしてきた「指導原理」をもとに新たな触媒反応を見いだすことを至上命題としています。
実際にこれまでに行ってきた研究によってドナーアクセプター二官能性触媒、準(不)安定性の導入、反応遷移状態における電子的および立体的相補性の獲得、生成物触媒複合体の不安定化および生成物の自己会合安定化による生成物による触媒阻害の抑制、といった指導原理を見いだすことに成功し、次世代の反応を見いだしていく基礎体力を蓄えています。

 ひとつの反応メカニズムが明らかになることで次に新たな反応開発を行うための基礎的な情報が手に入る、という繰り返しによって徐々に分子構築が容易になっていきます。我々はこうして触媒開発、その複雑化合物合成へ向けた合成への応用、またメカニズム開発を繰り返すことによって分子触媒開発の段階をさらに発展させていくことを一つの目的にしています。

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