
研究科長あいさつ
みなさん、名古屋大学創薬科学研究科のホームページにお越しいただきありがとうございます。このホームページは、創薬科学研究科の活動内容、教育・研究の目標等を広くみなさんに知っていただき、併せて「創薬科学」全体への興味を更にふかめていただきたく、開設しております。皆様の忌憚のないご意見をお待ちしております。お気づきの点がありましたらぜひ気軽にコメントやメッセージをお寄せ下さい。
さて、名古屋大学の創薬科学研究科は、2012年度に薬学系大学院として設置された日本で初、かつ唯一「創薬科学研究科」の名称を冠する独立研究科で、前期課程(修士)2年と後期課程(博士)3年からなります。他大学の「薬学部・薬学研究科」には薬剤師養成のためのコースおよびその大学院が設置されていますが、名古屋大学創薬科学研究科にそのコースはなく、薬剤師の養成は行っておりません。
本研究科の歴史も新しいですが、創薬科学という学問そのものも、これからの時代に併せてダイナミックに変革する若い学問です。本研究科の教育理念の一番根源にあるのは、この創薬科学を修めることにより、「学問的に広い視野を持った次世代創薬を先導できる創薬基盤研究者」に育って頂きたい、という願いです。本研究科には、本学の理学・生命農学・工学のそれぞれの学問的バックグラウンドを持った教員や、そのユニークな成り立ちに共感しつつ多彩な経歴を持った教員が、日本中から集ってきています。学生のみなさんの出身学部・出身大学も様々です。わたしたちの研究科の強みは、この高い多様性です。こうした教育・研究環境から、きっと、従来の学問の枠組みからははみ出た新たな学問が育ち、世界をあっといわせるユニークな研究が花開くでしょう。
当研究科に特徴的な授業科目として「多分野融合実践実習」があります。ここでは、創薬科学研究科が学問的柱としている3つの分野、すなわち有機化学、生物科学、分子構造学に関する実習を、学生が所属する系に関係なくすべて履修します。この実習を通して、まず、いままで経験したことのない学問分野出身の学生や教員と、おたがいにその文化・価値観・雰囲気を、直に体験することができます。併せて、薬学(薬理・薬剤学)や創薬のプロセス、創薬倫理など、他の研究科では学びにくい、薬学特有の知識を得る授業も用意してあります。更には、2つの卓越大学院プログラム(GTRとCIBoG)も準備されており、恵まれた教育・研究環境で博士後期課程を目指すことができます。
みなさんが所属するそれぞれの研究室には、研究の最前線の情報と解決すべき課題が、たくさん集められています。研究室の外から日々刺激を受けつつ、各研究室の強みを活かした尖った研究生活に、とっぷりと浸って大胆に挑戦してください。皆さんの悔いのない充実した大学院生活を心から祈っております。
本研究科は、来年には、創立10周年の節目を迎えるわけです。輝かしい歴史と実績というには、まだまだ歴史の浅い研究科ではありますが、だからこそ、学生も教職員も一丸となって、みなさんの創薬科学研究科と世界の創薬科学全体を益々発展させていきたいとおもっています。最後となりましたが、本研究科の取り組みを社会の皆様にご理解いただき、今後とも末永くご支援をくださいますよう、心からお願い申し上げます。
創薬科学研究科長
廣明 秀一
*研究科長からのメッセージ ~創薬科学研究科学生の皆さんへ~