研究内容


目次

研究方針 Research Concepts
研究プロジェクト Research Projects
  Project 0:  細胞画像評価システム化プロジェクト
  Project 1:  創薬スクリーニングプロジェクト
  Project 2: スフェロイドプロジェクト   
  Project 3: 医療機器プロジェクト   
  Project 4: 細胞培養標準化プロジェクト

研究方針 Research Concept

 

細胞分子情報学分野(Laboratory of Cell & Molecular Bioengineering)では、
3つのことを学問の柱として研究してます。
それは、研究室の和名にもある『細胞 Cell』『分子 Molecule』『情報 Informatics』です。

3_pillars

これは、
細胞を扱うBiology、分子を扱うChemistry、情報を扱うInformatics(Data Science)
を学びながら、これらの専門力を練り合わせて新しい研究をしたいと考えているからです。

研究室では、3つの分野を「工学的な視点・精神・アイディア」で繋いでいきたいと考えています。


世の中には、いろいろなスタイルや方向性を持った研究がありますが、
私たちは「工学的な視点・精神・アイディア」を使った、次のような実用的な応用研究を目指しています。
 *ものづくりにつながるような研究
 *製品として技術が世の中に早く出るような研究
 *今困っている研究の課題を早く解決できるような研究
 *社会を支える企業(特に製造業)の方々を支援できるような研究




細胞・分子・情報を融合した研究をするためには、
広くいろいろな学問分野を学び、経験することが重要です。
できる限り多くの視点を学ぶため、いろいろな背景・技術・分野の方々と出会うことも重要です。
多くのことの「可能性」と「難しさ」の両方を知り、
両方の観点から「通訳」ができることは、本当に重要です。

本当に新しいことを行うには、たくさんの人の力が必要です。一人では何もできません。

たくさんの人と
『知恵を合わせて』仕事ができるように、
そして『自分の強みをもって』仕事ができるように、
融合研究の中で、融合を強められる「何か」が得られるような研究ができたら、
と考えています。


現在、細胞学情報分野では、多くの分野・業界の方々とコラボレーションをさせて頂いています。
 *臨床現場に関わる医師の方々(胸部外科、形成外科、歯科、整形外科、小児外科、など)
 *創薬研究に関わるの方々(製薬企業、創薬探索、幹細胞研究、脳神経科学、など)
 *製薬・製造など実生産に関わるの方々(製薬工場、細胞製品製造施設、部品製造、など)
 *再生医療に関わる方々(再生医療研究、組織工学研究、培養基材、培養試薬、など)
 *装置開発に関わる方々(光学装置、計測機器、培養装置、機械部品、など)
 *材料開発に関わる方々(高分子化学、生体タンパク質、表面加工、など)

コラボレーションは、
 最高にエキサイティングです。
 最高に充実感があります。
 そして、最高に楽しいものです。

我々は「橋渡し」のような研究を目指していますので、
若干、境界領域としてマニアックな部分もありますが、
いろいろなコラボレーションに
学生のみなさんとたくさん挑戦したいと考えています。



 

研究紹介記事 Related Articles

我々の研究は、生物学・情報学・化学の融合領域に挑戦しているため
少し複雑でわかりにくいことがあるかもしれません。
専門的な内容ではありませんが、わかりやすく説明した記事がありますので、
ご参考にしていただければと思います。

 

Laborify(高校生向けの大学研究者の研究紹介記事)
『新しい薬としての細胞を作る』

laborify

日本生物工学会・照井賞受賞記事
『画像情報解析を用いた再生医療用製品製造工程における
非破壊品質管理技術の開発』
seibutsu


Innovation Newsnetwork (海外オンライン雑誌の記事・英語です)
『Technology and mindset for quantification will lead success in cell manufacturing』

Innovation

 

研究プロジェクト Research Projects

細胞分子情報学分野(Laboratory of Cell & Molecular Bioengineering)では、
複数の研究テーマを大きく5つのプロジェクト(PJ)でチーム編成を作り進めています。

下記に各プロジェクトの概要および研究事例について紹介します。

Project 0: SYSTEMIZATION 細胞画像評価システム化プロジェクト

*細胞品質評価のための細胞形態情報解析技術の開発
*クラウド型細胞品質評価システム基盤技術の開発

*超高純度間葉系幹細胞を用いた細胞品質解析ロバスト化
*iPS細胞の自動培養におけるストレス・影響の評価
*画像解析を用いた人間の培養手技・作業効率の数値解析
*抗体医薬製造プロセス評価のための画像解析

Project 1: DRUG SCREENING 創薬スクリーニングプロジェクト

*細胞形態情報を用いたフェノタイプスクリーニング技術の開発
*神経細胞フェノタイプ解析のためのインフォマティクス手法の開発
*ゲノムシャッフリング技術を用いた細胞品質評価データの品質多様性解析
*ゲノム編集技術を用いたフェノタイプスクリーニング技術ロバスト化
*CRISPER/Cas9を用いた全網羅遺伝子破壊と細胞老化メカニズムの解明
*iPS由来心筋細胞を用いた薬剤毒性評価における画像解析技術の開発
           *アミロイドβ毒性保護因子探索のための細胞画像解析技術の開発

 

Project 2: SPHEROID スフェロイドプロジェクト

*近赤外イメージングを用いたスフェロイド非破壊品質評価システムの開発
*スフェロイドイメージング装置・ソフトウェアの開発
*画像解析によるがんスフェロイド評価
*画像解析によるスフェロイド分化度評価
*画像解析によるオルガノイドの培養モニタリング


Project 3: MEDICAL DEVICE 医療機器プロジェクト

*人工血管のためのペプチド・多糖類ハイブリッドマテリアルの開発
*再生促進型細胞選択的ペプチドの探索技術の開発
*医療機器表面の界面設計技術の開発
*癒着防止シートのための機能性界面の設計と理解
*骨再生促進型骨ろうマテリアルの開発
*短鎖ペプチドによる再生促進界面のデザインと情報解析技術の開発
           *データ駆動型ペプチド・高分子組合せ界面の機能性解析


Project 4: STANDARDIZATION 細胞培養標準化プロジェクト

*細胞画像解析を用いた培養法(容器・培地・薬剤)評価技術の開発
*画像解析を用いた培養装置の機能設計・リスク回避
*流体シミュレーションを用いた培養液操作の解析
*自動培養装置のAI化
*国際標準化活動(細胞製造性の国際ルール化)